新書太閤記(4巻) (吉川英治歴史時代文庫)の感想

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新書太閤記(四) (吉川英治歴史時代文庫)

豊臣秀吉が主人公の歴史小説です。秀吉がたった一人で敵の城を訪問する場面が、見せ場のひとつです。

秀吉は一室に通され、お酒と食事を出されます。状況は緊迫しています。出されたお酒を飲みますが、到底酔うことなどできそうにありません。ただ寒々とほろ苦くなるばかりです。

 

秀吉は思います。

いやこの酒もうまく飲めねばならぬはずだ。こういう間も人間の修行になろう。死んでゆくもの、生きのこる者、その差はどれほどか。一瞬ともいえるだろう。……長い長い、幾千年もの時の流れから大観すれば。

このシーンが好きです。

こんなふうに「大観」しておきながら、秀吉は実際のところ少しもおいしくお酒を飲むことができません。カラカラと打ち笑うような気を持とうとがんばるのですが、ちっともうまくいきません。お酒を口に含むたび、心が寒くなります。

大観しようとして、できない秀吉の描かれ方が好きです。

秀吉というと、豪気に要領よく世を渡った印象があります。でも『新書太閤記』の秀吉は、等身大の人間臭さを感じさせてくれます。我も人なら彼も人。スマートじゃない部分が、人の魅力だったりしますよね。

 

この小説は全11巻となっています。感想の一覧をまとめました。新書太閤記の感想(もくじ)はこちらです。

新書太閤記(四) (吉川英治歴史時代文庫)

あーりー

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