どんな本?
73人の戦国武将の人生をコンパクトに紹介した本です。
この本の感想
どの武将の人生を見ても、あたり前ですが、うまくいかないことがあって、予想外のことがあって、思い通りにならないことがあります。みんな、その中で生きているんですね。
おだやかな休日の楽しみ
おだやかな休日の朝。
朝食を食べた後にもう一度ベッドに戻ってリラックスしながら読みたい本です。枕を高くして仰向けに寝転んで。ふかふかのふとんを口元まであげて、くるまって。
夢とうつつの狭間で
本を読み始めてしばらくすると、眠くなります。ウトウトしてまぶたが下りてきます。
それがまた幸せなんです。
まぶたを開けば、そこには大好きな歴史の本がある。武将たちの話が目の前に広がっている。そういう贅沢さの中でウトウト目を閉じている、そんな幸せ。
夢とうつつの狭間で本を読む楽しみって、ありますよね。
ベッドの中で旅をする
ぼくは人物事典のように1冊でたくさんの人物の生きざまが読める本が好きです。飽きっぽいのかも知れません。
この本も、たくさんの戦国武将の人生が詰まっています。よりどりみどりです。
本棚から本をとっかえひっかえしなくても、これ一冊で戦国時代のすみからすみまで旅ができるのが良いですね。
時空の旅です。ベッドの中で、たくさんの武将の生きざまを旅できます。
どんな人物が載ってるの?
戦国乱世の序章を駆け抜けた、太田道灌、北条早雲、尼子経久、朝倉孝景、北条氏康、松平清康から始まって…
織田信長、武田信玄、上杉謙信、毛利元就などの有名どころ…
そして、龍造寺隆信、陶晴賢、里見義堯、山中鹿之助、柴田勝家、竹中半兵衛、黒田官兵衛、最上義光、蒲生氏郷など、もう書ききれません~。全部で73名です。
一人ひとり面白いので全員に言及したいのですが、キリがないので、ふたりだけ触れさせてください。
使い捨ての後継者
豊臣秀次です。
彼は秀吉の後継者と目されていたのに、秀吉に別の後継者ができたとたん、切腹させられてしまった悲劇の武将ですよね。
彼については、合戦で失敗した話や素行が悪かったウワサが取り沙汰され、「だから切腹させられても仕方なかった」的な書かれ方をすることも多いです。
でも、本書は彼の死に際の潔さや立派な振る舞いにスポットをあてて、秀次という人間をさりげなくフォローしているようにも感じられます。それがなんだかイイですね。
私の名は糞(ふん)
荒木村重という武将がいます。織田信長に謀反を起こした「裏切り者」とか、家族を置き去りにして逃げた「卑怯者」として書かれることが多い武将です。
彼はのちに、その行為を恥じて「道糞」と名乗るようになりました。自虐的な改名です。
でも本書では、彼が謀反におよんだのは仕方のない事情(ほとんど不可抗力とも思える事情)があったのだと書いています。
そのあたりのさりげない心配り。
ふとんの中で読んでいると、柔らかいふとんがいっそう柔らかく感じられます。